近年、糖尿病に悩む患者が増えています。糖尿病は血糖値を降下させる“インスリン”と呼ばれるホルモンが低下することで起こる病気で、重症化すると失明や賢不全、足の切断など命に関わる深刻な病気です。
原因は、高脂肪・高カロリー・食物繊維不足などの食生活や運動不足、ストレス、睡眠不足、喫煙などの生活習慣の乱れによって引き起こされます。
このような生活習慣に起因すると考えられる病気を総称して生活習慣病と呼びます。
糖尿病も例にもれず生活習慣病の一種なのですが、そんな糖尿病に対し予防や対策を設けている地域があります。
中でも神戸市は、糖尿病に関して対策や施術を設けています。
今回は糖尿病に関して実際に神戸市が行っている対策や施術の中から『データヘルス計画』・『専門職による健康支援』・『SIBを活用した糖尿病性腎症等重症化予防事業』・『神戸市国保保険事業』の4つをご紹介致します。
神戸市国民健康保険データヘルス計画
神戸市国民健康保険では、被保険者の健康課題を分析しPDCAサイクルに沿った効果的かつ効率的な保険事業を図るため『データヘルス計画』が策定されました。
こちらの計画は今すぐに受けられる施術などではありませんが、2018年~2023年の6年の間で、医療費や特定検診・特定保健指導の状況などデータをとりながら、今後の施策や対策をしていく計画です。
データヘルス計画の概要版では神戸市の国民健康保険の状況や医療費の状況、また糖尿病や高血圧性疾患などの生活習慣病や悪性新生物の状況に関するデータ等が詳細に記載されています。
神戸市国民健康保険データヘルス計画の詳細は以下の公式サイトよりご確認いただけます。
専門職による健康支援
神戸市国民健康保険では、糖尿病をはじめとし重大な合併症を発症し重症化する恐れのある生活習慣病を予防するための取り組みとして、保健師・管理栄養士・薬剤師等、専門職の方からの健康支援を行っています。
特定検診結果や医療レセプトから、放置すると重症化の心配がある生活習慣病の方に対して、専門職の方が自宅へ訪問したり、電話で個別相談を実施したりしています。
また健診結果より対象となった方には、慢性腎臓病(CKD)や糖尿病の教室等への案内嬢が送付されます。教室では医師や保健師・管理栄養士等が腎臓病や糖尿病に関する講和を実施しておりますので、案内が届いた場合には楽しく生活習慣の改善に取り組むためにも教室に参加し、病気や運動や食事について学習していきましょう。
専門職による健康支援の詳細は以下の公式サイトよりご確認いただけます。
SIBを活用した糖尿病性腎症等重症化予防事業
SIBとはソーシャル・インパクト・ボンドと言い、福祉や教育などの社会課題の解決を図るとともに経済的な利益を追求する投資行動(社会的インパクト投資)の1つにあたります。
行政機関から民間事業者に委託することで公的サービスを実施し、問題の解決を目指す施策です。事業の成果によって、それに見合った報酬が支払われるので「成果連動型委託契約」とも呼ばれます。
神戸市のSIB事業である『糖尿病性腎症等重症化予防事業』では、特定検診の結果、糖尿病と判断され、かつ医療機関を未だ受診していない方もしくは治療中の中から約100名ほどを対象に2017年の7月から半年間の保健指導プログラムを実施しました。
電話や面談による指導を月に1回以上実施し、医療内容は食事療法や運動療法、セルフモニタリング、薬物療法などを行い、必要に応じては休息のバランス、ストレスマネジメント、血糖値の管理、フットケア等が追加されました。
結果は、生活習慣改善率が90%を超える結果となり、SIBには一定の効果が見込まれると確認されました。
SIBを活用した糖尿病性腎症等重症化予防事業の詳細は以下の公式サイトよりご確認いただけます。
神戸市国保保健事業
神戸市では、大学や研究機関と共同して、保険事業の評価や検証を行い、効果的に事業を進めています。その中には糖尿病を予防するために自治体が厚生労働科学研究と連携・協力した『糖尿病性腎症重症化予防事業』というものが存在します。
この『糖尿病性腎症重症化予防事業』では糖尿病が重症化する恐れのある医療機関への未受診者に受診勧奨や保険指導を行うことにより、治療に結びつけ、重症化の予防に務めています。また、この取り組み内容を効果的なものとするために、厚生労働科学研究と協力し、効果検証や研修会・相談会などの技術支援なども行っています。
神戸市国保保健事業の詳細は以下の公式サイトよりご確認いただけます。